既にSold Outとなりましたが、
NV53 のRosewoodが入荷いたしました。
私もですが、NV53はFinn Juhl好きならいつかは手に入れたい、所有欲を唆られる逸品かと思います。
見た目にも美しく、 アーム先端が少し上に向いてるのですが、
この部分がすごく握り心地がよく、Finn Juhlの意図なのかどうかはわかりませんが、
手のひらのツボが刺激され、よりリラックス出来ているような感覚もございます。
出会う事も少なくなってきた作品で、
購入前に複数並べて比較といったこともなかなか難しいと思いますので、
これまでにみたNV53の比較ポイントを共有させて頂きたいと思います。
まずはフレームの材質について。
1961年のILLUMSのカタログに掲載されてますがTeakとRosewoodのタイプが存在します。
Rosewoodの方が美しいマーブル柄で、木の宝石とも称され、
希少性も高く高価とされているのですが、
Finn JuhlはTeakをいち早く作品に取り入れ、Teakと言えば、な所もありますので、
Teakタイプも非常に魅力的です。
次に、先程紹介したアームもそうなのですが、
Finn Juhl作品は宙に浮いてるようなディテールを持つ作品が多数見られます。
このスペーサー部分で使われている素材は
下記のように真鍮が使われているのが一般的ですが、
実は下記写真のように、黒いプラスチックのスペーサーが用いられた作品も存在します。
当時、ちょうど真鍮タイプのNV53 Teakの在庫があったので、色々比較してみた所、高さもカタログ表記より3cm程低くなってました。
稀に、以前のオーナー自身がサイズに合わせるべく、脚が切られてしまったものもあるので、
これもそういった類なのかと思っていたのですが、その後、全く同じ、黒プラスチックスペーサーで高さが3cm低いNV53を数点見かけました。
現在、Finn Juhl邸の作品がスウェーデン国立美術館に展示してあり観てきたのですが、
NV48のSetteeも黒プラスチックのスペーサーが用いられてました。
どういった経緯でそのようなNV53が流通したのか、まだ調べきれてはいないのですが、
離れた地域で同じ仕様のものが見つかったことを考えると、
物資の不足からなのか、多く生産するための仕様だったのか、
黒プラスチックスペーサーで、脚が短いタイプも正規に流通したものなのではないかと思われます。
最後に刻印について。
Niels Vodder製のFinn Juhl作品にはこのように、刻印があるタイプがございます。
刻印があることが証明となり、安心感を感じられる所はあるかと思いますが、
先程お話しましたFinn Juhl邸の作品、全て見てみましたが
マークが確認できたのはJapan ChairのFDのメダリオンだけ、
NielsVodder製含む、その他は一つもマークがあるものはございませんでした。
稀に見ているだけで不思議と引き込まれてしまう、
独特の雰囲気を感じる作品に出会う事があるのですが、
それらのほとんどには刻印は無く、
刻印が無いことでこれまでは躊躇してましたが、もう少し知見を深め、
引き込まれたら飛び込めるよう努力を重ねて行かねば…、と思いました。
年々高額になっているFinn Juhl作品、好みにもよるかと思いますが、
探される際は材質、黒のプラスチック製のスペーサーなのか、真鍮スペーサーなのか、カタログサイズと比較してサイズがどの程度違うか、刻印のあり無しも検討材料に加えて頂き、
より満足度の高い作品を見つけて頂ければと思っております。